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催眠療法コラム 2014年12月アーカイブ

【残酷な漫画が流行る訳】

【残酷な漫画が流行る訳】
先日、日経ビジネスから「なぜ紙媒体が不況な折、漫画だけは好調な売り上げを継続し、特に残酷な描写のあるもの程売れる傾向にあるのは、今の社会の闇の部分を映し出しているのではないか。その辺りを専門家として分析して欲しい」との依頼があり、その取材の様子が12/11の日経ビジネスオンラインに掲載されました。
 
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141210/274992/
 
「闇」と言うと、あまり好まれない、ともすれば排除すべきもののイメージがつきまとうのですが、実際に臨床に携わってみると、現代のインターネットやバーチャルな思考、イメージ優先の世界に浸っていると、リアリティに代表される生々しい実感の欠如が様々な問題の元になることが多いように思われて来ます。それを補う為の、残酷さ、生々しさと考えると、一概にいけないこと、忌み嫌うべきものとしてはいけないような気がして来る訳です。自然にあるものを排除しようと切り離せば、それに伴う渇望もまた生まれて来る…それが自明の理なのかも知れません。
 
物事を良い悪いだけではない視点で観る心…これからの時代には特に大切なことのように思われます。
 

心気症と、ご家族の対応について

自分の身体のことに対して「いつもと様子が違う。自分は病気なんじゃないかしら?どこか悪いんじゃないかしら?」と気をもんで神経質になってしまう事を、「心気症」と呼びます。

心気症は周りの方が「気にするな」という態度を取れば悪化しますし、とは言え周りの方が共感し続けるのも大変な症状ですから、ご本人への対応を、どうしたら良いか分からなくなる事があるのも無理もありません。

ご本人様も心のどこかでは、「気にする自分が嫌」と思いながらも、気になって気になって仕方がなくなるのが心気症の症状ですから、周りの方も、「気にする」ことに否定的な態度はなるべく取らない方が良いでしょう。

とは言え、現実にはない身体のことを心配される訳ですから、受容的な態度はなかなか取り難いものです。


実は心気症に罹患される方の多くは、「寂しい」とか「不安だ」という気持ちを素直に表現できません。
そう言いたくても、「迷惑を掛けたくない」とか
「そんな自分はみっともない」という
倫理観念が強く、本当の気持ちを意識化して表現することが苦手です。

そこで、症状という正当性を無意識に作り出されて、「こっちを見て!」を、これまた無意識にやってしまうのです。

心気症は、ご本人に外に興味のある事ができて来たり、自分が必要とされる体験が再び持てるようになると、急激に快方に向かうことのある症状ですから、ご家族の方々も症状をご本人様の寂しさや、今後の不安として捉え、是非愛情を持って接してあげて下さい。

ダブルバインド(二重拘束性)とは?

ダブルバインド(二重拘束性)とは「相反する2重のメッセージ」のことです。

例えば、お母さんが「さあこのケーキをお食べ」と、自分が欲しそうな顔をしながら子どもにケーキを差しだす場面を想像して下さい。

子どもさんは、「食べてもいい」と「食べてはダメ」という二つの矛盾するメッセージに縛られ、どうしていいか分からなくなる…正にこれがダブルバインドなのですが、そのお母さんの意識の中には、「私は母親なんだから子どもにケーキをあげなきゃ」という考えを持つ自分と、「でも私も食べたい」と心のどこかで思ってしまっている自分がいる訳です。


人間には意識の階層があり、その違う階層から無意識的に別々の矛盾するメッセージを発してしまうのがダブルバインドをしてしまう人なので、ご本人がそのことに気づかなければ、永遠にし続けてしまうことになります。


また、ダブルバインドのメッセージを受け続けた人もまた、人にダブルバインドなメッセージを発信する癖がついてしまったり、葛藤に縛られ、自分本位での決断が出来なくなったり、後から、「あの選択をして良かったのだろうか?」と繰り返し悩んでしまう事が多くなることとなります。
自分の決断に責任を負えなくなってしまうのですね。

ダブルバインドをしてしまう方は、簡単に言ってしまえば、自己一致が出来ていない人です。

その矛盾する思いの両方を自分のものとして意識できれば、自己一致し、「お母さんと半分こしようか」と言えるのでダブルバインドは発生しないのですが、前者の「私は母親なんだから子どもにケーキをあげなきゃいけない」という倫理観念が強すぎると、後者の「私も食べたい」を抑圧し、全く自分が欲しがっているとは自覚(意識化)できなくなってしまいます。
これが自己の不一致です。

周りからはその二つの矛盾するメッセージが明確に感じられるのですが、ご本人がそのことを認め、受け入れられなければ、残念ながら直して行くことは出来ません。

ただ、以上の事を理解し、無意識にそうしてしまう方の気持ちを解ることで、ダブルバインドの犠牲にならない術を身につけて行くことは出来るのではないでしょうか?

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