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催眠療法コラム

解離性同一性障害について

解離性同一性障害(DID)は、精神病ではなく、神経症の一種と考えられている、かつては多重人格障害と呼ばれていた症状です。

その症状は、
①2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される人格状態の存在(その各々は、環境および自己について知覚し、関わり、思考する比較的持続する独自の様式を持っている)
②これらの同一性または人格状態の少なくとも2つが、反復的に患者の行動を統制する
③重要な個人情報の想起が不能であり、普通のもの忘れで説明が出来ないほど強い
④この障害は、物質(例えばアルコール中毒時のブラックアウト、または混乱した行動など)または他の一般身体疾患(例えば複雑部分発作)の直接的な生理学的作用によるものではない
(DSM-Ⅳより抜粋)
という明確な診断基準を持ちます。

少し難しいお話になってしまいましたが、簡単に言えば、一人の人間の中に複数の人格が存在し、ある人格が体験していることを他の人格が共有出来ないので、自分が言動を起こした形跡はあるのに、その記憶が全くないといったことが日常茶飯事に起きてきてしまう症状です。また人格交代の際に頭痛やめまいが生じるのも、特徴的です。

私も心理臨床の現場で何名かの解離性同一性障害と思われるクライアントさんとお会いして来ましたが、記憶障害と極度の疲労感、自殺・他害が一番の問題となります。

自分が持って帰った記憶のない学校の備品が家にあったり、話したこともない人から親しそうに話し掛けられて困惑したり、中には結婚式の最中に人格交代し、その場から逃げ出してしまったり…といった、周りの人から見れば理解し難い体験をしながら日々を送っています。

本人も誰にも相談出来ずに「少しかわった人」と思われながら過ごす場合が多いのですが、他の主訴、例えば不眠や無気力を契機に心療内科や精神科を受診し、発覚する…といったケースが多いようです。

解離性同一性障害と診断されたクライアントさんは、そのほとんどが幼少期に筆舌にし難い虐待や喪失体験などによる心的外傷(トラウマ)を負っています。言うなればその体験から身を守る為に、無意識に体験から自分を解離させ、「なかったこと」にしてしまっている訳です。

その意味で,周りの方たちが、理解や、支えとなることは、治療上とても重要な鍵を握ります。

解離性同一性障害は、時として年余に渡る治療期間が必要となることもあります。

記憶と催眠


大切なものを無くしてしまった。記憶をさかのぼって、思いださせて欲しい。
辛い思い出を、なくしてしまいたい。

催眠療法に携わっていると、こうした記憶にまつわるご相談が度々ございます。
深い催眠状態に入りますと、記憶をなくすこともできるのですが、正確には、記憶はなくなるのではなく、より深い深層心理に封印されるだけで、なくなってしまうわけではありません。
ですから辛い思い出に関する記憶は、一時的に意識にはのぼってこなくなっても、無意識に精神的ストレスとなって身体に現れたりすることになります。
例えば、自分では辛い気持ちも、ストレスも感じてはいないのに、なぜか夜眠れなくなったり、胃潰瘍になってしまったり。
ですから、「あまり記憶をなくしてしまいたい」というご依頼があっても、はいそうですか、とご希望の通りには出来ないこともございます。

日常において、ちょっとした記憶がなくなってしまう、もしくは思い込みによって記憶が書き換えられてしまうような体験で、生活に様々な影を落としてしまうことで悩まれている方もおられます。

今までそのような体験をされている方と数多く接して来ましたが、ほとんどの場合(器質的な脳の障害を除く)、自我の防衛機制が影響しています。

自我の防衛機制に関する詳しい説明は割愛させて頂きますが、要するに「間違い」や「失敗」を受け入れたくない自分「忘れる」ことで、自尊やこう在るべき自分像を守ろうとする癖がついてしまっている可能性があります。

元来の思い込みの強さと、その自我の防衛機制(否認といいます)が相俟って、記憶障害を引き起こしているのかも知れません。

それを解消して行く為には、先ず自分は思い込みがとても強いので、間違いを起こすことが多々あるという事実を受け入れ、その時その場のリアリティをしっかり感じ取りながら、「今、ここ」を大切に過ごすことを心掛けてみて下さい。
 

精神科と心療内科の違い

厳密には精神科の医師の専門領域は精神科であり、心療内科の医師の専門領域は心療内科という内科ですので、精神科の医師が心療内科を開業することはありません。
例え開業したとしても心療内科の医師になってしまう訳ですね。

元々精神科と心療内科は全く別の専門領域であり、扱う疾病の種類も、精神科はうつ病(現在は気分障害)や統合失調症などの精神病領域、心療内科(かつては神経科)は不安障害や心身症を扱う神経症領域と明確に別れていました。

しかし、時代の流れや価値観の多様化、複雑化により、病態そのもののボーダーが明確でなくなり(神経症としてのうつ状態なのか、遺伝的要素を持つ本態性のうつのような精神病としてのうつなのか等)、両方の専門領域を掛け持つ医師が増えてきたという実情が、患者さんから見れば曖昧さをかもし出す要因の一つになっているのかも知れません。

実際にも、長い間精神科を営んで来た医師やその二世が、時代のニーズに応えるべく心療内科やメンタルクリニックと表に出すケースが増えているようです。

ただ気をつけて頂きたいのは、患者さんのハードルを低くするためだけに名称を変えた医療機関の医師は、心療内科や神経科の領域に関する知識が不足している場合があります(その逆もそうです)。良心的な先生は専門の先生にリファー(紹介)しますが、全て引き受けてしまい、病気を長引かせてしまうケースもあるようです。

当たり前のことですが、全ての医師がオールマイティの知識を持つわけではありません。たいがい、その医師がどんな学会に所属し、どの学会で認定医としての認定を受けているのかが開示されていますから、その辺りを参考にしながら受診する医師や医療機関を決めてみて下さい。

カウンセラーの守秘義務 まずは話せるところだけ、お話下さい。

悩みや相談したい事があってカウンセラーに話をする。でも、辛かった出来事や、人には言えないような内容であることでもあるでしょう。ですから、いくら相手がカウンセラーであったとしても、最初からは全部話せなかったり、良いカウンセラーだなと信頼できてからも「どう受け取られるか分からなかったりする不安」のせいで、話せない事もあるかも知れません。

いずれにせよ、秘密を抱えていらっしゃるご事情がおありでしょう。

カウンセラーという職業は、クライアントの守秘義務という絶対の義務を負っております。

もしカウンセラーがその守秘義務を守れなかった時、あなたはそのカウンセラーを訴えることが出来ます。

とは言え、起こった事実やご自分の内面の真実をさらけ出すことはとても勇気の要ることでしょう。話さなければ先に進まない予感がするでしょうから、尚更葛藤してしまいますよね。無理もありません。

まだカウンセラーの先生との信頼関係が成り立っていないのに、ご自分の真相をお話することには、それなりの危険性が伴います。
その意味で「話さなければいけない」ということは何もありません。

ただ、何回か会って、その先生との信頼関係が成り立ち、「この先生なら話してもいいかな…」というお気持ちになられたなら、少しずつ真実をお話ししていただけたらと思います。


夢分析 夢はあなたの無意識からのメッセージ

夢は精神分析の世界では「無意識に至る王道」と言われるように、その方の無意識(潜在意識)の世界をよく表すことで知られます。
そこで夢を見ることに何らかの意味があることと捉え、その分析をします。

夢を見ることの意味としてよく知られているのは、
①昼間のストレスの無意識的発散の意味
②潜在願望が満たされないことを補完する意味
③無意識が自分(意識)に何かを伝えようとするメッセージ的意味

などがあります。

よく繰り返し同じような夢を見る場合(反復夢といいます)がありますが、③の意味が隠されていると言われます。

また、普段あまり意識されていない潜在的な不安や恐怖がある場合、夢の中にそれが象徴として表されて、「もう一人の私(不安を感じている私)に気づいて!」と訴えて来ることがあります。

夢や無意識は決してそれを見た人の敵ではありませんが、とてもそれを見ることで疲れてしまい、日常に支障をきたすようであれば、一度夢を扱うことの出来る分析家やカウンセラーに相談するのも一つの手です。

分析やカウンセリングが進むに連れて、無意識の世界が変化し、疲れる夢(悪夢)を見なくなることもよく知られています。

嫌な夢を見ることは辛いことですが、どんな夢を見られても、決して夢(無意識)はあなたをいじめようとしている訳ではないこと…ご承知おき下さい。

カウンセラーとの相性 「クライアント中心療法」について

日本におけるカウンセリングと言うと、「クライアント中心療法」という流派のやり方を勉強されたカウンセラーが多いようです。

ご存知の方も多いとは思いますが、カウンセリングは、カール・ロジャースというアメリカの心理学者の先生が、心理療法として提案したことに端を発します。

その技法は「非指示的療法」と呼ばれ、一切クライアントに指示をしたり、解決策を提示しないことを特徴としました。ただただクライアントの話に傾聴し、共感するだけで、その方自身の治癒力で治って行くと考えられていたわけです。

そのロジャース先生も、晩年は、それだけではなかなか解決が難しいケースもあることを認め、「クライアント中心療法」と名前を変えて行くのですが、それでも極力クライアントの自主性や主体性を損ない、依存心を高める恐れのある、指示やアドヴァイスをなるべくしないという立ち位置は変わらなかったと言われます。

そのロジャース先生のカウンセリング技法を学んで、自らの拠り所とされているカウンセラーを「ロジャーリアン」と呼びます。


クライアントさんによっては、「ただ聞いてもらっているだけ」と言う印象で、物足りなく思われる方もおられる様です。
もっと頼りたいのに頼れない…その様な葛藤の中でカウンセリングが進んでしまったとするならば、心療経過が停滞してしまうことも、十分考えられることです。

そのような場合、今までカウンセリングに通われて感じたこと…カウンセラーに対する不信感や、どう気持ちを話して良いか分からなくなったことを、担当のカウンセラーに正直にお話ししてみて下さい。

それをお話ししても受け止めてもらえない場合、率直に言わせて頂くなら、あなたにそのカウンセラーは向いていません。
カウンセラーに合わせるのではなく、あなた自身がカウンセラーを選ぶつもりで、勇気を持って自分に合う先生を見つけましょう。

もっと「解決策」を積極的に考えて欲しい。その様な方には、ナラティブ・セラピーなどの解決志向型のカウンセラーも日本には沢山います。

「日本のカウンセラー=聴くだけ」ではありませんし、「聴くだけでは治らない」わけでもありません。

「聴く力」はカウンセラーによって様々ですし、技法そのものだけでなく、あなたとカウンセラーとの相性の問題もあると思います。

適応障害(Adjustment Disorders)について

適応障害(Adjustment Disorders)には、

①はっきりと確認できるストレス因子に反応して、そのストレス因子の始まりから3ヶ月以内に、情緒面または行動面の症状の出現
②これらの症状や行動は臨床的に著しく、それは以下のどちらかによって裏付けられている
A.そのストレス因子に暴露された時に予想されるものをはるかに超えた苦痛
B.社会的または職業上(学業上)の機能の著しい障害
③症状は死別によるものではない
④そのストレス因子(またはその結果)がひとたび終結すると、症状がさらに6ヶ月以上終結する事はない
(DSM-Ⅳより抜粋)


という明確な診断基準が存在します。

よく、適応障害は子供に遺伝するのですか?と聞かれるのですが、その中に「遺伝的要因を有する」という条件が記載されていませんので、今のところその可能性はないように思われます。
「思われる」という言葉を使わせて頂いたのは、今後遺伝的要因が発見され、診断基準が改定されていく可能性もあるからです。

ただ、医学の診断というものは治療のためにするものであり、決して人を「そういう人」と判断したり、揶揄するためのものではないことをわかっておいて頂きたいと思います。

心理療法

 時代の変化に伴う社会の複雑化や価値観の多様化を背景に、そのストレスから「心の病」に陥るケースが増えています。

日本ではその治療法として先ず筆頭に上げられるのは、心療内科や精神科で行われる薬物療法でしょう。
実際に当所を訪れるクライアントさんの約6割は睡眠薬や抗不安薬、抗うつ剤などの向精神薬を服用されているか、服用の経験をお持ちです。
 しかしながら薬物療法は、時として即効性を発揮し、保険が効き手軽に手に入れられるというメリットを持ちながら、その反面「長期服用しても改善しない」「副作用に苦しんでいる」「薬物依存から抜けられない」などの声もまた多々あがることも事実です。
そのような背景の中から注目されて来ている治療法が、心理療法(=psychotherapy)です。
 心理療法には当所で扱う、心理カウンセリング、催眠療法、精神分析を始め、TA(交流分析)、日本古来の内観法、森田療法、ゲシュタルト療法、音楽療法、芸術療法、箱庭療法、最近注目されている認知行動療法などがあります。
では、どの心理療法が一番効くのでしょうか? 実は「これが誰にでも一番効く」という治療法は存在しません。

「催眠療法で治りますか?」
「催眠は本当に効くのでしょうか?」
 初回のご相談を受けていると、必ずと言って良いほど、クライアントさんの口から出る質問です。知識も経験もないクライアントさんが、このような疑問を持たれるのも無理もありません。

 我々心理療法のプロでも「この治療法で必ず治る」と断言できる方法は持ち合わせていません。ただあるのは、「このようなケースは、このようにして行けば軽快するだろう」という、数多くの臨床の経験から培った経験則だけです。

 世界的なベストセラーとなった「癒す心、治る力」の著者、アンドリュー・ワイル氏が次のようなとても興味深い治療観を述べています。
絶対に効かないという治療法はない
絶対に効くという治療法はない
各種療法は、互いにつじつまが合わない
草創期の新興治療はよく効く
信念だけで治ることがある
以上の結論を包括する統一変数は治療に対する信仰心である

 何が効くかを考えるよりも、(自分自身が信じられる)何を用いて自ら治ろうとするかが大切なことなのかも知れません。
 


【片頭痛】


 ストレス社会と言われる今日、頭痛を主訴に当所を訪れるクライアントさんが増えています。
 
催眠療法の中で、いつの間にか寛解して行くことも多い頭痛ですが、その成り立ちを理解し、セルフケアを心掛けることも大切でしょう。
 
 
 頭痛には、その原因から筋収縮性のものと、血管拡張性のものとに分かれます。
 
 片頭痛と呼ばれるものはその後者です。
 
 片頭痛は、脳の毛細血管が拡張することで炎症をおこし、その炎症が周囲にある三叉神経という神経を刺激し、その刺激が痛みとなって脳に伝わることで発生していると言われます。
 
 脳の毛細血管が拡張する原因には、次のものがあります。
 
 
質の低い睡眠:脳に蓄積された疲労が解消されず、ストレスが溜まっていく
 
チラミンの過剰摂取:チョコレートや柑橘類、赤ワインにはチラミンという物質が含まれている。
                          チラミンには血管収縮作用(収縮した後に拡張する)がある
 
乱れた生活習慣:夜更かしや寝過ぎなど、乱れた生活習慣も脳に影響を与える
 
過度のストレス:仕事や勉強など 
 
女性の月経前
 
低気圧の日
 
空腹
 
 
 片頭痛は、これらの原因によって脳の毛細血管が拡張することで、引き起こされています。
 
 
 現在片頭痛に悩まされている方で、これらの原因に思い当たる節がある場合は、まずはできるだけ原因を作らないようにすることが大切でしょう。
 
 
もちろん日々のストレスマネージメントのために自己催眠を習得されると、片頭痛の予防策としても期待されます。
 
 余談ですが、頭痛は心理学的には「思考の身体的拒絶」と解される事があります。
 
 
うつ病や神経症などによく起こる自動思考を止めさせようとする、‘自然の叡智’としての側面もあるのかも知れません。 
 
 

「光」と「闇」のバランス(米倉所長)

猪瀬東京都知事の政治献金疑惑、
有名飲食店のメニュー改ざん問題、
恋愛の拗れからのストーカー殺人事件…

昨今新聞の紙面やTVの報道番組を賑わすニュースを見ていると、
ある共通するものに気付かされます。
 
それは、
今まで「闇」の世界に在りながら均衡を保っていた‘何か’に「光」が当たり、
今までのバランスの保ち方では済まなくなって来ている…ということです。
 
これが時代の要請というものなのでしょうか。
 
それは心理臨床の現場でも同じです。
 
例えば
熟年離婚問題。
ある日突然、今まで長年連れ添って来た妻から離婚を突きつけられる。
何が起こったか呑み込めず、右往左往する夫。
正に青天の霹靂の状態で我々カウンセラーを訪ねて来られる訳です。
 
 
一昔前なら、
「恥は墓場まで持って行くもの」
「恥をさらすくらいなら死んだ方がマシ」
という日本人的発想で、
夫に対する不平不満は無意識という「闇」に葬られ、
意識という「光」の世界に上って来ることはありませんでした。
 
その「闇」に「光」が当たった時、
如何に自分は夫に不満を募らせて来たのか…
そしてそれに堪え、自分の人生を犠牲にしてまで尽くして、
我慢し続けて生きて来てしまったことに気付いてしまったのです。
 
もちろんその事自体に、良い悪いの判断を直ぐに下してしまうことは出来ません。
ただ光と闇の均衡が崩れた時、光だけの世界が現れるのではなく、
そこにはまた何らかの闇の世界が現れることだけは知っておかなければならないような気がします。
 
バブル時代を知る人が貧困に耐えられなくなる、
とても素敵なパートナーとの出会いがあるから、
その別れもまたとてつもなく辛くなる…
それらもまた光と闇のバランスでしょう。
 
闇を嫌い、光だけを探し求め続ける危険性を自覚し、その両方を併せ持つ度量を身につけたいものです。
 

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