催眠療法コラム

心気症と、ご家族の対応について

自分の身体のことに対して「いつもと様子が違う。自分は病気なんじゃないかしら?どこか悪いんじゃないかしら?」と気をもんで神経質になってしまう事を、「心気症」と呼びます。

心気症は周りの方が「気にするな」という態度を取れば悪化しますし、とは言え周りの方が共感し続けるのも大変な症状ですから、ご本人への対応を、どうしたら良いか分からなくなる事があるのも無理もありません。

ご本人様も心のどこかでは、「気にする自分が嫌」と思いながらも、気になって気になって仕方がなくなるのが心気症の症状ですから、周りの方も、「気にする」ことに否定的な態度はなるべく取らない方が良いでしょう。

とは言え、現実にはない身体のことを心配される訳ですから、受容的な態度はなかなか取り難いものです。


実は心気症に罹患される方の多くは、「寂しい」とか「不安だ」という気持ちを素直に表現できません。
そう言いたくても、「迷惑を掛けたくない」とか
「そんな自分はみっともない」という
倫理観念が強く、本当の気持ちを意識化して表現することが苦手です。

そこで、症状という正当性を無意識に作り出されて、「こっちを見て!」を、これまた無意識にやってしまうのです。

心気症は、ご本人に外に興味のある事ができて来たり、自分が必要とされる体験が再び持てるようになると、急激に快方に向かうことのある症状ですから、ご家族の方々も症状をご本人様の寂しさや、今後の不安として捉え、是非愛情を持って接してあげて下さい。