催眠療法コラム

カウンセリングを受ける前の準備

初めて受けるカウンセリングでしょうから、何となく緊張しますよね。その前に何か出来る準備をしておきたい…そのように思われるお気持ち、良く解ります。

しかしながら正直に申しますと、心理カウンセラーというものは、カウンセラーからクライアントさんに
「こういう心構えで来て欲しい」とか
「こういうポイントを大切に受けて欲しい」
といった希望は極力持たないようにと訓練されているのです。

それは、それを我々が持ってしまうと、クライアントさんにカウンセラー側から条件をつけてしまうことになり、ややもするとクライアントさんの主体性を損ない、カウンセリングそのものの妨げになってしまう可能性もあるからです。

カウンセリングの成功に必要なカウンセラー側の条件として、
「クライアントに対する無条件の共感的理解」
なるものがあります。
最初から「こうした方がいい」とカウンセラー側から条件をつけてしまうということは、カウンセリングそのものを自ら放棄しているようなものなのです。

「言いたいことをメモ書きにして…」ということも、カウンセラー側からすれば
「して来られても、しないで来られてもどちらでも良い」となります。
確かに言いたいことを言い忘れることは、クライアントさん側からすればあまり気持ちの良いことではないでしょうから、そうしても下さっても構わないのですが、カウンセラー側からみると「言い忘れる」ことが、そのクライアントさんをより深く理解する一助にもなって行くからです。

その意味で、準備をすることもしないことも、心構えを持つことも持たないことも、その日の気持ちで変えることも、あなたの自由であることを頭の片隅においてカウンセリングに臨んで下さい。

カウンセリングを受けることで、少しでも気分の変調が穏やかになることをお祈りしています。