催眠療法コラム

人を殺す夢の意味する事

何度か夢の分析について書いておりますが、今回は悪夢の中でも「人を殺す夢」についてです。

夢分析とは、見る夢そのものに絶対的な共通の意味を求めるものではありません。
同じ「殺される夢」でも、現実にその方がどんな問題を抱えているか、心理発達上どんなテーマが隠されているかなどによって、人それぞれその意味合いが全く違って来るものです。

例えば同じ「人を殺す夢」を見たとします。

Aさんはいつもニコニコ笑いながら、例え人から傷つけられても、自分の攻撃性を抑圧しながら調和を重んじる生活をしていたとしたら、その抑圧している攻撃性を昇華するために夢の中で人を殺す場面が出て来た可能性があります。

Bさんは依存と自立の葛藤があり、依存の対象を象徴的に殺さないと自立出来ないと無意識に感じていて、親から距離をとる意味でそのような夢を見たのかも知れません。

Cさんは、昨晩見た映画のワンシーンのインパクトが強く、それによって無意識の中にある破壊衝動が刺激されて、人を殺す夢として出て来たのかも知れません。

これはあくまでも例ですが、そのようにその夢を見る人のお話をカウンセリングの中でじっくり聴いて行かないと、その方にとっての真実の意味を見出すことは出来ないのです。
「殺される夢」もまた然りです。