催眠療法コラム

PTSD〜心的外傷後ストレス障害

 今回は比較的知られるようになって来た、PTSD=心的外傷後ストレス障害についてお話ししましょう。

 

PTSDを引き起こす可能性のある出来事として、次の3つが上げられます。

 

①事故による死亡や負傷
②意図的な行為による死亡や負傷
自然災害

 

それぞれ心に傷を遺すには十分たるものですが、②の負傷の中には、パワハラやセクハラ、モラハラなどの長期間に及ぶハラスメント(嫌がらせ)なども含まれます。

 


また以外と一般には知られていないものとして、人災と天災とでは被害者の症状が違うことが上げられます。

人災での症状の特徴である

①繰り返し悪夢を見る

②他人から切り離されたように感じ、以前楽しめていたことに興味を失うなどのいわゆる精神的麻痺は天災では少なく①考えようとしないのにふと天災のことを考える
②不眠

③突然の物音や動きへの大げさな反応(びくつき)

④記憶力や集中力の低下
などのPTSDの典型的な症状を示すことが多いと言われます。

 


天災での症状は日常生活では誰からも気づかれることが少なく、一人苦しんでいるケースが多く見られます。
それは、「苦しんでいるのは私だけではない」とか「みんな頑張っているるのに私だけ苦しいなどとは言ってられない」等、私が辛いとは言い難いシチュエーションであるだけでなく、「私が弱いからいけないのではないか」という、自責や自戒の気持ちが無意識的に存在するからに他なりません。

 


しかし、トラウマが精神的に比較的強い人をも打ちのめすことがあることは厳然たる事実です。

 

PTSDに罹患した人が絶対に忘れてはならないのは、PTSDをもたらしたのは他ならぬ自分自身であると考えないこと、自制心さえ取り戻せばPTSDに打ち勝つことが出来る…と思わないことでしょう。

 


PTSDは誰もがなり得る精神疾患であり、自分が弱いから掛かる病気ではないことを知っておきましょう。