体験談

催眠療法と出会えて(N.Y さん 女性)・・・心臓神経症/不眠ほか

三十八才の時、突然外出先で心臓発作を起こし、以来十年救急車のお世話になっていました。こんな私を気遣って、姉と弟が催眠療法を紹介してくれたのでした。

さて、初めての催眠体験です。「とにかく素直によく聴いて素直にやればいいんです。そして少しでも良くなった点を認め、それを喜び、それに感謝していくうちに、いつの間にか良くなって行くものです。お任せください。」との指導に傲慢な私は、得意よなどと内心思ったものでした。調整後の気持ちの良かったこと。何かすっきりとした感じと肩の軽くなった感じがし、しみじみと力んで生きて来た自分に気付かされ、不思議な体験でした。
2クール目に入った頃でしょうか、調整中に、体中の血液が勢いよく流れるのが感じ取られ、運動もしないのに血液が体中に通い不思議さに感動したものでした。発作中に、習った50回暗示法をしていると手足が温かいのです。こうしてお任せや、治療と自己催眠を続けていくうちに徐々に発作への不安、恐怖が薄れていくのも不思議でした。
「素直に指導に従っていると、いろいろおつりが来ますよ。」と先生が謎のようなことをおっしゃったものです。そう本当に一杯おつりが来ました。不眠、便秘、痔、乳腺炎の痛み、等々の症状が無くなってしまったのです。

リラックスと集中の訓練が進むにつれ、いろいろな思いが心の中から湧き上がって来ました。「一体何様と思って生きて来ちゃったのだろう。」とか「お喋りだけど、本音が言えてなかった。」とか「何と闘って来たのだろう。」とか「他人の目ばかり気にして来たなあ。」とか「強がってばかりで本当は弱い人だなあ。」等々、自分がわかって来たのです。また「私は私であって、私ではない。」という言葉が口をついて出て来たのです。生かされている私を感じ取ったのでしょう。心に光が灯ったのです。理屈ではない希望の光だったようです。この光を見つめて行けば生きられると思えたのです。
しかし、いつの頃からか光を見つめ続けられるようになり「心の空しさ」から解放されたのでした。完全癖が無くなってくれていたのです。何でもかんでも立派に生きなくてはいけないという妄想を生きて来たことがわかったのでした。
間違った認識で生きて来てしまったことに気付き価値観・人生観も変わり、私の生き方を生きればいいと思えたことは有難いことでした。無意識の心こそ私の本当の心だということを理解し体認できたことは、無上の喜びです。

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