催眠療法コラム

リストカットしてしまう心理

職業柄、リストカットのような自傷行為をせざるを得ない方たちと数多く接して来ましたが、その多くは、「こうしなければいけない」「こう在らねばならない」という自己規範が強く、本当の気持ち…特に感情との解離が激しい方たちが多いようです。

本心を生きようとすると、監視する自分(これを精神分析の世界では超自我と呼びます)が上から目線で出て来て、自分を非難したり、批判したりするのですね。
これは集団の中でも、独りでいても出て来てしまうものですから、それこそ生きた心地がしないほど辛いものです。

リストカットにはそんな自分を罰する…罪悪感を軽減する役割と、思考優先で薄れてしまった「生きる実感」を取り戻す役割とがあると言われます。

落ち込むと切ってしまい、血を見ると安心してしまう、とおっしゃられる方が多いのですが、血を見ると少し安心するのはそのためです。

きっと「正しい自分」を生きようとし過ぎて、「本当の自分」が悲鳴をあげてしまっているのかも知れませんね。

「本当は助けて欲しい」…。そんな心の本音を言えてしまえば、それだけでも解決の第一歩になるものです。ただ、それを言うのが大変勇気のいる事なのですが。
そうした方は、ぜひ、カウンセリングにお越しいただければと思います。