催眠療法コラム

水が怖い人の深層心理

ある方は、何となく顔を水で濡らすことに抵抗があって、顔を洗うのも少し憂鬱で、ささっとしか洗わないと言う人がおられました。
また、ある方は悪夢の中で度々海に呑み込まれたり、沼で溺れるようなシチュエーションに出会うので、何となく自分は水が怖いのでのではないだろうかと思っておられました。
大人になってからでも、プールで顔を着けるのが怖く感じる人も多いのではないでしょうか?

私もプールも海も好きなのですが、海などですと沖合いに出て、深い海の底を覗くと、底知れぬ怖さを感じることがあります。

物理的に溺れる可能性もあるのですから、水が怖い気持ちがあっても不思議ではないのですが、心理学的に「水を恐れる深層心理」は何なのでしょうか?

水は、子宮とか母性とかを象徴している場合が多いようです。
自分では自立したい、自分の自由にしたい、という想いが強いのに、お母さんの支配から好きにできなかったり、言うことを聞かざるを得ないような親子関係があったりすることがあります。
青年期だけの心理ではありません。
大人になっても、小さいころの親と子と言う関係から解放されて、きちんと根本的に自立することは、なかなか難しいものなのですね。

もし心当たりがあれば、単純に恐怖症と言うより、自立の問題で、時間をかけてご自分の生き方を探して行くようなテーマがあるのかも知れませんね。

ちなみに、狭いところが好きという子供は多いものです。
竹之内豊さんが出ている大和ハウスのCMでは、奥様が広々した家に引っ越して、「良いわね、やっぱり広い家は!」と嬉しそうにしていて、夫の竹ノ内さんは「そうだね、良かったね」と相槌を打つのですが、心の中では「本当は天井が低くて、狭い所が好きなのに、また嘘をついてしまった」と一人語りする、ほほえましいユーモラスなCMがあります。

狭い場所も、子宮を象徴している事があります。
窮屈だけれど、安心してぬくぬくしていられたお母さんの子宮を懐かしく思っているのかもしれません。

逆に閉所恐怖症の人は、潜在的にお母さんから支配されることを非常に怖く思っている可能性があることになります。
自分の自由に振舞いたい。
母親的なものから縛られたくない。

そんな想いが秘められているように思います。

車の中の狭いコクピットの中だと落ち着く。
ドライブしている時も好きと言う人も、同じ深層心理を持っているかもしれません。

安全な子宮のような狭い中にいながら、でも自分の自由に思い通りに操縦できる空間。
車は、男性にとって究極の理想の空間なのかも知れません。
もちろんドライブが好きな女性もおられるでしょうが。