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催眠療法コラム 2014年1月アーカイブ

カウンセラーとの相性 「クライアント中心療法」について

日本におけるカウンセリングと言うと、「クライアント中心療法」という流派のやり方を勉強されたカウンセラーが多いようです。

ご存知の方も多いとは思いますが、カウンセリングは、カール・ロジャースというアメリカの心理学者の先生が、心理療法として提案したことに端を発します。

その技法は「非指示的療法」と呼ばれ、一切クライアントに指示をしたり、解決策を提示しないことを特徴としました。ただただクライアントの話に傾聴し、共感するだけで、その方自身の治癒力で治って行くと考えられていたわけです。

そのロジャース先生も、晩年は、それだけではなかなか解決が難しいケースもあることを認め、「クライアント中心療法」と名前を変えて行くのですが、それでも極力クライアントの自主性や主体性を損ない、依存心を高める恐れのある、指示やアドヴァイスをなるべくしないという立ち位置は変わらなかったと言われます。

そのロジャース先生のカウンセリング技法を学んで、自らの拠り所とされているカウンセラーを「ロジャーリアン」と呼びます。


クライアントさんによっては、「ただ聞いてもらっているだけ」と言う印象で、物足りなく思われる方もおられる様です。
もっと頼りたいのに頼れない…その様な葛藤の中でカウンセリングが進んでしまったとするならば、心療経過が停滞してしまうことも、十分考えられることです。

そのような場合、今までカウンセリングに通われて感じたこと…カウンセラーに対する不信感や、どう気持ちを話して良いか分からなくなったことを、担当のカウンセラーに正直にお話ししてみて下さい。

それをお話ししても受け止めてもらえない場合、率直に言わせて頂くなら、あなたにそのカウンセラーは向いていません。
カウンセラーに合わせるのではなく、あなた自身がカウンセラーを選ぶつもりで、勇気を持って自分に合う先生を見つけましょう。

もっと「解決策」を積極的に考えて欲しい。その様な方には、ナラティブ・セラピーなどの解決志向型のカウンセラーも日本には沢山います。

「日本のカウンセラー=聴くだけ」ではありませんし、「聴くだけでは治らない」わけでもありません。

「聴く力」はカウンセラーによって様々ですし、技法そのものだけでなく、あなたとカウンセラーとの相性の問題もあると思います。

適応障害(Adjustment Disorders)について

適応障害(Adjustment Disorders)には、

①はっきりと確認できるストレス因子に反応して、そのストレス因子の始まりから3ヶ月以内に、情緒面または行動面の症状の出現
②これらの症状や行動は臨床的に著しく、それは以下のどちらかによって裏付けられている
A.そのストレス因子に暴露された時に予想されるものをはるかに超えた苦痛
B.社会的または職業上(学業上)の機能の著しい障害
③症状は死別によるものではない
④そのストレス因子(またはその結果)がひとたび終結すると、症状がさらに6ヶ月以上終結する事はない
(DSM-Ⅳより抜粋)


という明確な診断基準が存在します。

よく、適応障害は子供に遺伝するのですか?と聞かれるのですが、その中に「遺伝的要因を有する」という条件が記載されていませんので、今のところその可能性はないように思われます。
「思われる」という言葉を使わせて頂いたのは、今後遺伝的要因が発見され、診断基準が改定されていく可能性もあるからです。

ただ、医学の診断というものは治療のためにするものであり、決して人を「そういう人」と判断したり、揶揄するためのものではないことをわかっておいて頂きたいと思います。

心理療法

 時代の変化に伴う社会の複雑化や価値観の多様化を背景に、そのストレスから「心の病」に陥るケースが増えています。

日本ではその治療法として先ず筆頭に上げられるのは、心療内科や精神科で行われる薬物療法でしょう。
実際に当所を訪れるクライアントさんの約6割は睡眠薬や抗不安薬、抗うつ剤などの向精神薬を服用されているか、服用の経験をお持ちです。
 しかしながら薬物療法は、時として即効性を発揮し、保険が効き手軽に手に入れられるというメリットを持ちながら、その反面「長期服用しても改善しない」「副作用に苦しんでいる」「薬物依存から抜けられない」などの声もまた多々あがることも事実です。
そのような背景の中から注目されて来ている治療法が、心理療法(=psychotherapy)です。
 心理療法には当所で扱う、心理カウンセリング、催眠療法、精神分析を始め、TA(交流分析)、日本古来の内観法、森田療法、ゲシュタルト療法、音楽療法、芸術療法、箱庭療法、最近注目されている認知行動療法などがあります。
では、どの心理療法が一番効くのでしょうか? 実は「これが誰にでも一番効く」という治療法は存在しません。

「催眠療法で治りますか?」
「催眠は本当に効くのでしょうか?」
 初回のご相談を受けていると、必ずと言って良いほど、クライアントさんの口から出る質問です。知識も経験もないクライアントさんが、このような疑問を持たれるのも無理もありません。

 我々心理療法のプロでも「この治療法で必ず治る」と断言できる方法は持ち合わせていません。ただあるのは、「このようなケースは、このようにして行けば軽快するだろう」という、数多くの臨床の経験から培った経験則だけです。

 世界的なベストセラーとなった「癒す心、治る力」の著者、アンドリュー・ワイル氏が次のようなとても興味深い治療観を述べています。
絶対に効かないという治療法はない
絶対に効くという治療法はない
各種療法は、互いにつじつまが合わない
草創期の新興治療はよく効く
信念だけで治ることがある
以上の結論を包括する統一変数は治療に対する信仰心である

 何が効くかを考えるよりも、(自分自身が信じられる)何を用いて自ら治ろうとするかが大切なことなのかも知れません。
 


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